メニュー

登記義務について | 加藤司法書士事務所

03-5344-9660【営業時間】月~日(祝日含む)9:00~20:00

コラム

登記義務について

カテゴリ: 不動産一般 公開日:2019年06月19日(水)

登記には、法律上登記をしなければならないと規定されているものと、そうでないものが存在します。

 

登記義務があるか否かは登記の種類によって異なり、以下のとおりとなっています。

 

◎不動産登記の表題部に関する表題登記→登記義務あり

 

◎不動産登記の権利部に関する権利登記→登記義務なし(ただし、契約で登記義務が定められている場合あり。)

 

◎商業・法人登記→登記義務あり

 

 

不動産登記の場合には、それが表題部に関する登記なのか、権利部に関する登記なのかによって異なってきます。

 

まず、不動産の登記記録の構成について説明します。

 

不動産の登記記録は、表題部と呼ばれる部分と権利部と呼ばれる部分の2つで構成されています。

表題部とは、不動産の登記記録のうち、不動産の所在、地番、家屋番号、地目、地積、構造、床面積など土地や建物に関する物理的状況が表示されている部分のことを言います。

一方、権利部とは、不動産の所有者に関する情報や、不動産に設定されている抵当権等の担保の情報など権利に関する状況が表示されている部分のことを言います。

 

不動産の表題部に記録されている所在、地番、家屋番号、地目、地積、構造、床面積などについて変更が生じた場合や新たに建物を新築した場合には、1か月以内に表題部に関する登記を申請しなければなりません。

これは、不動産登記法という法律上義務付けられているものであり、違反すれば10万円以下の過料に処されることになっています。

 

これに対して、売買や相続によって不動産の所有権を取得したり、所有者が住所を移転したり、銀行から融資を受けて抵当権を設定した場合であっても、その登記を申請する義務は、法律上はありません。

ただし、売買や抵当権の設定などは、通常契約書の中で登記義務が定められているため、その義務に違反すれば、契約解除や損害賠償などのペナルティが待っていま

す。

 

相続登記については現在義務化が議論されていますが、相続登記にかかる費用や手続きの負担を相続人に強制するのはいかがなものかといった意見もあり、実現に向けて課題は山積みです。

 

 

そして、商業・法人登記の場合には、会社法を始めとする各種法人の根拠法令に登記義務が明記されており、これに違反した場合の過料も、会社の場合には100万円以下など、不動産登記より高額となっています。

ただ、会社を一から設立する際の設立登記(発起設立の場合)については、発起人が定めた日から2週間以内に登記をすればよいということになっており、発起人は自由に当該日を定めることができるため、実質登記義務はないようなものです。そうは言っても、会社は設立登記をしなければ成立しないため、登記をしないメリットはありません。

 

 

なお、登記義務に違反した場合の過料の通知は法務局からではなく、裁判所から郵便で送られてきます(会社の場合は会社の本店所在地に来るのではなく、代表者個人の住所宛てに送られてきます)。

裁判所から何の事前連絡もなく送られてくるため、慌てるかと思いますが、きちんと支払いをすれば何も問題ありません(前科がつくわけでもありません)。

Copyright© 加藤司法書士事務所All Rights Reserved. login