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個人間で行う不動産売買について | 加藤司法書士事務所

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コラム

個人間で行う不動産売買について

カテゴリ: 不動産一般 公開日:2022年01月18日(火)

不動産を売却したり購入したりする際は、不動産仲介会社に依頼をすることが多いですが、親族間での売買など買主・売主・物件が既に決まっており、後は契約書を作成して名義変更の登記(所有権移転登記)を申請するだけ、という場合もあるかと思います。

そのような場合には、買主と売主の当事者間だけで不動産売買をしたい、という方もいらっしゃるでしょう。

 

ここでは、不動産仲介会社を入れずに不動産売買を行う場合の注意点や流れについて解説します。

 

 

1.仲介会社を入れずに不動産売買を行う場合の注意点

仲介会社を入れずに自分たちだけで不動産売買を行う場合には、費用を抑えることができる等のメリットがありますが、いくつかの注意点も存在します。

 

自分たちだけで不動産売買を行う場合の注意点

◎売買契約書を自分たちで作成しなければならない

売買契約書は法律文書ですので、作成にはある程度の法律上の知識や不動産の知識が必要です。

自分たちで作成するのが難しいという場合には、司法書士や弁護士に売買契約書の作成を依頼することもできます。

なお、インターネット上で数多く出回っている売買契約書のテンプレートをそのまま流用してしまうのは、思わぬ落とし穴があるのでおすすめしません。

 

◎相場からかけ離れた売買価格を設定してしまう恐れがある

不動産に関する知識がないと、不動産の売買価格を設定するのに苦労します。

相場の金額と大きく異なってしまうと、みなし贈与として買主側もしくは売主側に贈与税が課税されてしまうこともあるため、注意が必要です。

 

◎固定資産税など諸費用の精算を忘れてしまう恐れがある

不動産売買におけるお金のやり取りは、売買代金の授受だけに限りません。

固定資産税や都市計画税、マンションの管理費や修繕積立金など、不動産に関して発生する費用はいろいろとあるため、これらを精算せずに売買をしてしまうと、後でトラブルの原因となります。

 

◎物件漏れの恐れがある

当事者間だけで不動産売買をやろうとすると、売買契約書に記載する物件に漏れが生じてしまうことがよくあります。

私道部分やゴミ置き場となっている土地の共有持分、マンションの集会所や事務所(マンション自体の登記とは分けて登記されている場合)の共有持分などは記載するのを忘れやすいので注意しましょう。

 

◎抹消登記が未了の担保などを見逃すおそれがある

不動産売買をする際には、事前にしっかりと不動産の謄本(登記事項証明書)を確認する必要がありますが、登記記録の見方が分からなかったり、不慣れな場合だと、不動産に設定されている古い担保や買戻特約などを見逃してしまうおそれがあります。

 

◎契約締結後のトラブルに対応できない

不動産仲介会社が間に入っている場合には、契約締結後や不動産の引渡し後に当事者間でトラブルが発生した際にも対応してもらうことができますが、そうでない場合には自分たちだけで問題を解決しなければなりません。

 

仲介会社を入れずに不動産売買が行われるのはどのような場合か

仲介会社を入れずに当事者間で直接不動産売買が行われることが多いのは、次のような場合です。

 

①親族間での売買

親が子に対して自己所有の不動産の一部を売却する場合など。

 

②隣人同士の売買

自宅の土地を広げるため、隣地の所有者から土地の全部又は一部分を買い取る場合など。

 

③借地権者と地主との間の売買

借地権者(土地を借りてその上に建物を所有している人)が地主から敷地を買い取る場合や、地主が借地権者から建物+借地権を買い取る場合など。

 

このように、買主と売主がお互いに親しい関係にある場合には、当事者間だけで不動産の売買が行われることもあります。

 

 

2.不動産売買の流れ

仲介会社に依頼をして不動産売買をする場合には、まずは仲介会社を探すことから始まり、不動産の査定や売買の相手方探しなどやることは多いですが、自分たちだけで不動産売買を行う場合には、次のような流れで進めていくことになります。

 

2-1.物件(売買対象不動産)の確認

売買の買主・売主が既に決まっている場合には、物件(売買対象不動産)も決まっているのが通常ですが、現地を確認するのはもちろん、不動産の謄本(登記事項証明書)や公図、測量図などで対象不動産に間違いがないことを双方確認しておく必要があります。

また、私道部分の土地などがセットになっている場合には、それらも併せて確認をします。

 

2-2.価格決め

当事者間で不動産の売買価格を決定します。

当事者間での売買価格の決め方については特に決まりはありませんが、路線価や固定資産評価額をもとに決めたり、周辺に同じような売り出し中の不動産があれば、それを基に価格を決めるといった方法があります。

いずれにしても、売買価格を決める際はみなし贈与とならないよう相場とかけ離れた金額にしないことが重要です。

当事者間だけで決めるのが難しい場合には、不動産会社に査定依頼をしてみるのもよいでしょう。

 

2-3.売買契約書の作成→売買契約の締結

売買物件を確認し、売買価格も決まったら、その他の契約内容を詰めていきます。

売買物件・売買価格の他に決める事項としては、売買代金の支払方法、手付金の有無、売買代金の支払時期、売買物件の引渡し時期、所有権移転時期、登記費用の負担、固定資産税等の精算方法、契約の解除に関することなどがあります。

 

契約の内容が決まったら、売買契約書を作成し、売買契約を締結(署名・押印)します。

売買契約書の作成は、買主と売主の一方もしくは双方で行うか、司法書士などの専門家に依頼することも可能です。

 

2-4.代金決済+引渡し

代金決済(売買代金の支払い)と物件の引渡しは、売買契約の締結と併せて行っても構いませんし、契約書に代金支払期日・引渡期日を定めてある場合には、後日行っても構いません。

また、代金決済と物件の引渡しは同日にすることが多いですが、契約内容は当事者間で自由に決められますので、両者を分けることも可能です。

 

なお、売買契約書に所有権移転時期についての定め(買主が売買代金全額を支払い、売主がこれを受領した時に、売主から買主に移転するとされていることがほとんどです。)がある場合には、代金の支払いが完了した後でなければ、後述する所有権移転登記の申請をすることはできませんので、注意してください。

 

2-5.所有権移転登記申請

売買契約を締結し、不動産の所有権が買主に移転したら、不動産の名義を買主に変更する登記(所有権移転登記)を申請しなければなりません。

登記は買主と売主が共同で申請するか、どちらか一方に登記申請を委任することもできます。

また、自分たちだけで登記申請を行うのが難しければ、司法書士に依頼することもできます。

 

登記申請に不備がなければ、申請後1週間~2週間ほどで登記が完了します。

 

 

3.まとめ

不動産は金額的にも大きいものが多く、また、不動産売買には専門的な知識が必要ですので、余程親しい間柄でない限り、当事者間だけですべての手続きをするのはおすすめしません。

 

当事務所では、個人間で不動産を売買したいという方のために、手続きの流れ・注意点等のアドバイスや書類作成、登記申請手続きの代理業務などを行っています。

また、不動産仲介会社とも提携し、不動産の売買手続き一連の流れをサポートすることも可能ですので、不動産売買でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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