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後見・保佐・補助の申立てについて | 加藤司法書士事務所

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コラム

後見・保佐・補助の申立てについて

カテゴリ: 後見 公開日:2020年09月02日(水)

成年後見制度(保佐・補助を含む)は、認知症などにより判断能力が不十分な方を支援するために、親族や専門家が事務的・法律的なサポートをする制度です。

 

この制度には後見・保佐・補助の3段階があり、本人の判断能力の度合いによって裁判所がいずれに該当するかを決定します(本人の判断能力が高い順に補助→保佐→後見となります)。

 

利用には家庭裁判所への申立てが必要で、親族や市区町村長などが申し立てをします(本人が申し立てることも可能です)。

ここ数年の申立て件数は、後見が毎年26000~28000件で推移しており、保佐・補助は毎年数千件ですが、徐々に増加しています。

 

申立て理由は預貯金等の管理・解約が最も多いようですが、預貯金の管理は親族が代わりにやってしまっているケースが多く、実際に相談を受けるのは不動産の売却や遺産分割手続きに必要だからという事案が多いような気がします(不動産の売却や遺産分割手続きは親族が代わりに行うことは不可能)。

 

 

申立てにあたっては、裁判所所定の申立書に加え、以下の書類を集める必要があります。

 

親族関係図

…本人と親族間の関係について記載した家系図のようなものです。

・診断書及び診断書付票

…主治医の先生などに記入してもらうもので、裁判所はこれを参考に鑑定(※)の要否を判断します。また、後見・保佐・補助のいずれで申し立てるかを判断する際も、この診断書の記載で通常は判断します。

※鑑定とは、本人の精神の状況について、裁判所が選任した精神科医などが医学的に判定する手続きのことをいいます。

・本人情報シートのコピー

…ケアマネジャーの方や入所施設の担当者の方に記入してもらう本人情報シートという書類のコピーを取り、裁判所に提出します(原本は主治医の先生に渡します)。

・愛の手帳のコピー

…役所から交付されている場合のみ添付すれば構いません。

・本人の戸籍抄本もしくは戸籍謄本

…本人の本籍がある役所で取得します。

・本人の住民票又は戸籍の附票

…住民票は本人の住所地、戸籍の附票は本人の本籍がある役所で取得します。

・本人が登記されていないことの証明書

…東京法務局の後見登録課もしくは各法務局本局の戸籍課の窓口で取得するか、東京法務局の後見登録課宛てに郵送で請求します。

・後見人等候補者の住民票又は戸籍の附票

…申立ての際に後見人等となる親族もしくは専門家を候補者として記載することができます。ただし、必ずしも候補者が後見人等に選ばれるわけではありません。

・申立事情説明書

…申立人となる方が本人の生活状況や経歴について詳しく裁判所に報告するために記載するものです。

・親族の意見書

…申立人・後見人等候補者以外に親族(本人が死亡した場合に相続人となる親族のみ)がいる場合には、その親族が後見開始や後見人等候補者の適否についてどう考えているかを裁判所で参考にするため、提出します。なお、親族の同意が得られなかったり、意見書がもらえない場合であっても、申立ては可能です。

・後見人等候補者事情説明書

…後見人等候補者となった方が自身の生活状況や経歴について詳しく裁判所に報告するために記載するものです。

・財産目録

…本人の財産の内容を項目別にまとめたものです。

・相続財産目録

…本人自身が誰かの相続人となっている場合であって、まだ遺産分割が済んでいない相続財産がある場合にのみ添付します。

・収支予定表

…本人の毎月(年間)の収入と支出がどのくらいあるのかを項目別にまとめたものです。

・本人の財産及び収支の内容を確認する資料

…不動産の全部事項証明書(登記簿謄本)、預貯金通帳のコピー,保険証券・株式・投資信託等の資料のコピー、納税通知書のコピーなど、できる限りのものを提出します。

・郵便切手

…後見の場合は3270円分(500円×3枚、100円×5枚、84円×10枚、63円×4枚、20円×5枚、10円×6枚、5円×2枚、1円×8枚)で、保佐及び補助の場合は4210円分(500円×4枚、100円×5枚、84円×15枚、63円×4枚、20円×5枚、10円×7枚、5円×4枚、1円×8枚)の郵便切手が必要となります。

・収入印紙

…裁判所へ支払う手数料として、800円分(保佐及び補助の場合には、代理権や同意権の付与の申立分として別途800円もしくは1600円分を追加します)と2600円分の収入印紙を郵便局などで購入します。

 

保佐と補助の申立て場合には、この他に代理権目録や同意行為目録を提出しますが、いずれも裁判所所定の書式にチェックを入れていけばいいようになっていますので、さほど難しくはありません。

 

また、裁判所で本人の鑑定手続きを実施することとなった場合には、別途鑑定費用として5万円~10万円程度を用意する必要があります。

 

 

裁判所へ申立てをしてから審判がされるまでは、1~2か月程度(鑑定手続きがある場合にはさらに1ヵ月程度かかります)とされていますが、専門家が後見人等候補者とされている場合で、急を要する場合(税金を滞納している等)には、数日で審判がされることもあります。

 

申立てにあたって集める書類の数は多く、また、請求先も多岐にわたるため、面倒だという方は専門家にお任せください。

 

当事務所では、後見等の申立手続きについて、88,000円~(消費税込)で承っております。

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