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合同会社と株式会社のどちらを選ぶべきか | 加藤司法書士事務所

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コラム

合同会社と株式会社のどちらを選ぶべきか

カテゴリ: 会社・法人関係 公開日:2021年09月27日(月)

 

これから会社を設立しようとする方は、合同会社にすればよいのか株式会社にすればよいのか迷うことがあるかと思います。

 

ここでは、合同会社を選んだ方が良い場合、株式会社を選んだ方が良い場合についてそれぞれのメリット・デメリットを踏まえながら解説します。

合同会社と株式会社の違いについてはこちら

 

 

1.合同会社と株式会社のどちらを選ぶべきか

合同会社と株式会社のどちらの形態で設立すべきかについては、会社設立の目的や設立後の運営、かけられる予算などで変わってきます。

 

~こんな場合は合同会社~

◎費用をあまりかけたくない

会社を設立する際にかかる費用は、株式会社よりも合同会社の方が安いです。

設立会社の資本金の額にもよりますが、通常は合同会社の方が14万円以上安くなります。

また、会社設立後も、合同会社では役員の重任登記や毎年の決算公告が不要であることから、株式会社に比べて費用的には安く済むことになります。

なお、会社設立後の法人税、事業税、消費税などの税金に関しては、合同会社と株式会社で違いはありません。

 

◎資産管理会社として会社を設立する

会社を設立して何か事業を行っていこうというわけではなく、自分の不動産などの資産を管理するために会社を設立(プライベートカンパニー)する場合には、合同会社がおすすめです。

資産管理会社であれば対外的に取引をすることは少ないでしょうし、法人格さえ取得できればよいわけですから、手間や費用がかかる株式会社を選ぶメリットは少ないと言えます。

 

◎会社を大きくしていく予定がない

家族(親族)だけで事業を行う場合など、そこそこの規模で会社運営ができればよく、資金調達もあまり考えていないという場合には、あえて株式会社にする必要はないかもしれません。

 

◎会社名が表に出ることが少ない

対外的なイメージを気にされて株式会社を選ばれる方が多いですが、特に飲食店など会社名ではなく屋号を対外的に使用することが多い場合には、会社名が表に出ることは少ないため、知名度がある株式会社を選ぶ必要性は低くなります。

 

◎会社経営に手間をかけたくない

株式会社では最低でも1年に1度、一部の例外を除いて決算公告をしなければなりません。

一部の例外とは、有価証券報告書の提出義務がある会社(上場会社)とホームページ上で決算の内容を開示(電磁的公告)している会社の場合です。

上場会社や電磁的公告をしている会社はごく一部なので、日本の多くの株式会社が決算公告をしなければならないということになります。

合同会社であっても決算書類は作成しなければなりませんが、会社の規模を問わずこれを公告する必要はありません。

また、株式会社の場合には、取締役や監査役などの役員に任期があるため、任期が切れる度に再度選任し直さなければなりません。

役員を選任した際には役員変更登記も必要であり、これを怠ると過料に処されることになります。

合同会社では役員(業務執行社員・代表社員)の任期について法律上の定めはないため、合同会社の定款で任期を定めなければ、いつまでも役員として居続けることができます。

ですので、役員選任の手間や役員変更登記の手間がかからず、役員は任期を気にすることなく業務に専念できます。

決算公告や役員選任以外にも、株式会社の場合には会社法上様々な規律が存在します。

細かい規制に縛られることなく、楽に会社経営をしたいのであれば、合同会社の方が向いているかと思います。

 

~こんな場合は株式会社~

対外的な信用・イメージを大事にする

知名度に関してはやはり株式会社の方が高いため、対外的な信用・イメージを大事にしたい場合には、株式会社の方が良いかもしれません。

特に高齢者の方は、合同会社という言葉を聞きなれていない方も多いため、会社名を出すのであれば株式会社の方が安心できるでしょう。

 

将来上場を目指している、会社を大きくしたい

合同会社には株式というものがないため、上場はできません。

そのため、将来株式を上場して会社を大きくしていきたいという場合には、株式会社を選択することになります。

最初は合同会社で設立して、後から株式会社に変更するという方法(組織変更といいます。)もありますが、組織変更には手間も費用もかかるため、将来上場を目指して会社を設立するのであれば、最初から株式会社を設立してしまった方が良いかと思います。

 

◎多方面から資金調達をしたい

資金調達手段の種類については、合同会社よりも株式会社の方が豊富です。

合同会社の場合には、第三者からの資金調達手段として、銀行などの金融機関から融資を受けるか、自社で社債を発行するという方法がありますが、どちらも債務(負債)であるため、返済の義務があります。

これに対して株式会社では、株式を発行することで広く第三者から資金調達をすることができ、さらに株式の発行で得た資金は原則として出資者に返済する必要がありません。

多額の資金調達を予定している、借金をせずに資金調達がしたいということであれば、株式会社の方が良いでしょう。

 

◎将来会社の経営権だけを他の人に譲りたい

自分が高齢になってきたなどの理由で、将来的に会社の経営を誰かに任せたいと思うことはあるでしょう。

このとき、会社の経営権は譲るけど、オーナー(出資者)は自分が続けたいという場合もあるかもしれません。

合同会社では、会社の経営者である業務執行社員や代表社員は、同時に社員という出資者でもあるので、経営者という立場と出資者という立場を分離することができません。

そのため、会社の経営を他の人に任せる場合には、社員(出資者)として加入させた上で経営を任せるしかありません。

株式会社の場合には、経営者である取締役・代表取締役と出資者である株主は同じ人である必要はないため、株主は自分のままで取締役や代表取締役の地位だけを他の人に譲るということも可能です。

 

 

2.合同会社→株式会社、株式会社→合同会社は可能か?

一旦合同会社として設立した後に株式会社に変更したり、逆に株式会社として設立した会社を合同会社に変更するといったことも可能です。

これを組織変更といいますが、組織変更の手続きは複雑で、専門家の関与なしで行うのは中々難しいかと思います。

また、組織変更の手続きには官報公告など時間がかかるものがあり、最低でも1か月半はかかるため、組織変更をしようと思ってもすぐにできるものではありません。

なお、組織変更ではありませんが、合同会社を他の持分会社(合資会社・合名会社)に変更することも可能です(持分会社の種類変更)。

 

 

合同会社、株式会社に関する手続きは司法書士へ

合同会社と株式会社にはそれぞれにメリット・デメリットがあり、どちらの会社形態にするかは両者の特徴や会社設立の目的などをしっかりと踏まえた上で決めるべきです。

当事務所では、会社法に詳しい司法書士が合同会社と株式会社のどちらにすべきかについてしっかりとアドバイスいたします。

対面での面談だけでなく、電話やメール、オンラインでの相談も行っており、日本全国の会社に対応できますので、これから会社を設立しようという方は、お気軽にお問い合わせください。

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